恋多き女友達との甘い罠
「ねえ、お願いがあるんだけど...」
僕、佐藤祐樹は、大学時代の女友達、五芭美咲から突然の頼み事をされた。美咲は明るくて社交的な性格で、いつも複数の男性と遊んでいる噂が絶えない女の子だった。正直、僕はそんな彼女に苦手意識を持っていた。
「彼氏のフリ...？ どうして僕が？」
美咲はしつこい男性に言い寄られているらしく、その男を諦めさせるために、彼氏のフリをして欲しいという。
「他に男いるだろ？ 俺じゃなくても...」
僕は美咲の奔放な恋愛事情を知っていたからこそ、戸惑いを隠せなかった。しかし、美咲は困った表情で首を横に振った。
「今は他にいないの...頼れるのは祐樹くんしかいないのよ」
美咲は切羽詰まった様子で、僕にすがるように頼んできた。
「わかったよ...何日かすれば、その男も諦めるだろうし...」
美咲の頼みを断り切れず、渋々了承した。
その日から、僕と美咲の偽の恋人ごっこが始まった。美咲は僕を連れて、しつこい男性の前に現れ、彼氏のフリをさせた。
「ねえ、祐樹くん。愛してるわ」
美咲は人目も憚らず、僕に抱きつき、甘い言葉を囁く。僕は周囲の視線を感じ、顔が熱くなるのを感じた。
「あ、愛してる...よ」
僕は美咲の芝居に付き合い、ぎこちない笑みを浮かべた。
「ふふっ、ありがとう。これで諦めてくれるはずよ」
美咲は満足そうに微笑み、僕の腕にすがりついた。
数日が経ち、美咲の計画通り、しつこい男性は諦めてくれたようだった。僕は安堵し、これで美咲との偽の恋人関係も終わると思っていた。
「祐樹くん、本当にありがとう。助かったわ」
美咲は感謝の気持ちを伝え、僕に微笑みかけた。しかし、僕の心は複雑だった。美咲と過ごした日々が、僕の気持ちを変えてしまったことに気づいたからだ。
「美咲...実は...」
僕は勇気を振り絞り、美咲に自分の想いを伝えようとした。
「私も...祐樹くんのことが...」
その時、美咲も僕言葉を遮るように、自分の想いを打ち明けた。
「え...美咲、どういうこと？」
僕は美咲の突然の告白に戸惑う。
「ごめんなさい、嘘をついて...私、祐樹くんのことが好きだったの」
美咲は恥ずかしそうに視線を落とし、小さな声で告白した。
「美咲...」
僕は美咲の告白に動揺し、言葉を失った。美咲は僕の反応を待つように、そっと瞳を上げた。
「私ね、しつこい男から逃げるために、祐樹くんに頼んだのは本当。でも、それだけじゃなかったの...」
美咲は僕の手をそっと握り、真剣な眼差しで続けた。
「祐樹くんと一緒にいるうちに、好きになってしまったの。最初は遊びのつもりだったけど...」
美咲は自分の軽率な行動を反省しながらも、僕への想いを抑えきれなかったことを告白した。
「美咲...俺も...」
僕は美咲の告白に勇気をもらい、自分の想いを伝えた。
「俺も、美咲のことが好きだった。最初は苦手だと思ってたけど...一緒にいるうちに、気付いたんだ」
僕は美咲と過ごした日々を思い出し、自分の気持ちに正直になった。
「祐樹くん...」
美咲は僕の告白に涙浮かべ、そっと唇を重ねた。甘くて柔らかな感触に、僕は美咲への想いを確信した。
「美咲、俺たち...付き合おうか？」
僕は美咲の手を握りしめ、改めて想いを伝えた。
「はい...祐樹くんとだったら、どんな困難も乗り越えられる気がする...」
美咲は僕の言葉に頷き、涙を拭うと、優しい笑顔を見せた。
こうして、隣に住む女友達、五芭美咲と僕の恋は始まった。恋多き女だと思っていた美咲の意外な一面を知り、僕は彼女への想いを深めていくのだった...。
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